双子の弟と幼なじみ
身長差で普段ならありえない高さを見上げているみぃは少し驚いた顔をして、すぐにその綺麗な顔にしわが入る。



…っ、何してんだよ、こいつ。




「俺、本気で行くから。お前のこと絶対落とす。覚悟しとけ」




僕がみぃを引き寄せた時には既に理玖の宣戦布告は終わっていて。


僕と理玖の目があって、嫌そうな顔をしたみぃだけが取り残される。




「幼なじみだからって安心してたら、俺が掠め取っていくからね」




理玖はそれだけ言うと、いつもの優しい顔────貼り付けた笑みを浮かべて去って行った。




「みぃ、大丈夫?」




僕は、みぃを心配して、顔を覗き込む。


さっきより、嫌そうな顔。



「何あいつ。キモ。…ナルシストもほどほどにして欲しいんだけど」




今までみぃの口から発されたことのない言葉遣いが、苛立ちを最大限まで表現する。


とりあえず、イライラしてるだけで、ショック、みたいなことはないみたいだ。
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