双子の弟と幼なじみ
『…ん、怪我、しないでね』
「…ぃ…きて。みぃ」




陽の光が差し込む明るい部屋で、うっすらとふーくんの声が聞こえる。



もう…朝なの。




いつも通り、布団から出たくない気持ちに囚われて、


いつも通り、ふーくんの手を振り払う。




そしていつも通り…。




パサッ




ふと、ベットに寝るみゆに重みがのる。



な、に?




いつもと違う雰囲気に、うっすらと目を開けると、私の上には赤い顔をしたふーくん。



「ふーくん…?」


「…あ、ごめん。ちょっとだけ…待って」




みゆが思わず手を握ると、いつもじゃありえないほどあったかかった。




熱…かな?


ふーくんはきっと風邪をひいてしまったんだろう。


相当体がだるいのか、握る手には力が入ってないし、起き上がれそうな感じもしない。


息も荒いし、体が火照っている。




「大丈夫?」




大丈夫じゃなさそうなのは見てわかるのに、そんな言葉をかけてしまう自分に嫌気がさす。
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