双子の弟と幼なじみ
「それ、私が渡してくる」


「…は?」



何言ってんだろう。


お弁当ひっくり返す気?



…でも、狙ってるならそのまま持っていくだろうし。



まぁ、持って行ってくれるならそれでもいいか…いいよね?



「ん。じゃあよろしく」


「へ?」


「持って行ってくれるんでしょ?」


「ほんとにいいの?」


「…あんたが言ったんじゃないの」



不毛な言い合いに嫌気がさして、少しイラっとした顔をすると、女の子はお弁当を持ってパタパタと走り去って行った。



とりあえず…これでゆーゆのお弁当はオッケーだよね。



ふぅ…。


ふーくんがいないとこんなにも考えることが多いのか。


任せすぎてた。


…変わる気は、ないけど。



「みーゆーちゃんっ」


「ん、今行く」



ほのちゃんの声がみゆの席あたりから聞こえてきたから急いで戻った。
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