双子の弟と幼なじみ
『みぃは妹みたいなもんだし』
みゆ、美颯(みかげ)くんのこと嫌いになりそう。


休んだからってふーくん呼び出したりしなくても、全部みゆに託けてくれたらよかったじゃん。


そうしてくれたら、放課後こんなとこでぼーっと待ってる必要なんてなかったのに。





そんなことを思いつつ、みゆはロッカーに入れてあった本を開く。


帰ってくるまで待っててと言われたから。


ふーくんとおうちに帰らなきゃ迷子…にはもうならないけど。


なんか…せっかくふーくんと帰れるわけで…好きな人とは一緒に帰りたいもんなんです。




「あ、美優ちゃん」




声に頭をあげると、教室の扉の近くに人影。


みゆはようやく落ち着いて本を読みだしたところに、りーくん。
…なんでいるの。




「ねぇ、美優ちゃん」


「何」




一体部活はどうしたんだろう。


ゆーゆと一緒で陸上部のはずだけど。


…早く部活いけよ。




「何してるの?」


「ふーくん待ち」




静かな教室にみゆたちの声だけが響く。


すでに陽も傾き始めてて、教室には西日が差す。


みゆの薄い色の髪が日光を反射して、りーくんはなんだか眩しそう。
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