双子の弟と幼なじみ
「そんなわけない。お話しくらいなら…って」


「ん?自分から逃げ場のないところに来たってことは…覚悟が決まったって、捉えてるんだけど」



りーくんは今まで見たことないような顔をして、みゆの手を掴む。



「なに」


「これからなにされるかくらい、わかるでしょ」


「え、ほんとに殴られる」



みゆが真面目な顔をしてそう言ったら、呆れた表情をされた。



「…は?ここまで来てしら切るわけ?
帆夏ちゃんと一緒にいて、俺のこと聞いてねぇの?」


「女の子取っ替え引っ替えする最低なやつ」


「…それだけ?」



コクリと頷くみゆを呆れたよう見下ろしつつも、みゆの手首を掴んだまま頭の上で押さえつける。



…え、なんかやばい。


え…は?え?



「…え、なに。美優ちゃんってそんな純粋な子だった?
もしかして、天然とか、そういうやつ?」



超絶ピンチなことだけは把握した。


絶対殴られる。


顔なんか殴られたらもうふーくんに見せられない。


こういう時って、どうすればいいんだっけ。


えっとえっと…ふーくんになんか言われてたよね…。


なに言われてたっけ…。
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