双子の弟と幼なじみ
僕はにっこり笑ってその子を通り過ぎて自分の席に鞄を置く。


既にみぃは自分の席で机に突っ伏して、寝ていた。


ロッカーに入れてあった安眠枕まで抱きしめて。




僕は手に持っていたお菓子を鞄の中に入れた。


…ご飯の時に食べよう。




こうやって、何でもない日に女の子が駆け寄ってきたり、お菓子をもらえたりするのには、理由がある。




僕と悠宇はいわゆる“可愛い”と言われる部類に入るらしい。


一卵性の僕たちは2人揃って、
背が低くて、ふわっとした髪で、何となくタレ目で、気持ち鼻が低くて、まぁわりかし整った顔立ちで。


全体的に顔はそこまでいいとは言えないような気がするんだけど。



わかんないけどなんか可愛いらしい。




そんな僕たちは、まぁ、当たり前のように好みまで似ていて。


それも、食べ物とか、服の趣味だけならわかるんだけどね。


好きな人、まで同じ。
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