異世界ピエロに恋した私。
サマナは髪を結ぶため、視線を私からズラした。
その時、私の頭に重みが生じた。
重みと同時に香水の臭さが鼻の奥をツンとさせる。

「やぁ、おはようミリア」

「おはようございます」

今挨拶してきたのは、先輩のアクラ・クレッサーさん。
ついでに言えば私の頭に肘を置いているのも彼だ。
目を合わさずに挨拶をしたせいでなのか、頭を拳でグリグリとさせられた。

「全く表情のない奴。
少しは感情を顔に出してみたらどうだ?」

「うるさいです。
あと余計なお世話です、退いてください仕事するので」

力任せに引き離し、パソコンと向き合う。
彼は鼻で笑うとそのまま自分の位置へ向かっていった。
頭をぱっぱと払い匂いをかき消そうと頑張ったが、まだ香水の臭さが残ってる。
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