異世界ピエロに恋した私。

その視線に気づいた女性は、あ!と声を出し、隣に来たと思えば私の両肩に触れた。

「この人はMs.ベッカリーっていうの!
えっと、ふらみんごっていう踊りを見せてくれるらしいのよ!」

「ふらみんご?聞いたことない踊りですね」

「でしょ!だからぜひ見てみたくって!」

そう言って、肩を掴んだまま私を道連れにくるくると回り始める。
そんな私が可哀想に見えたのか、メイドは女性の腕を掴み強制的に引き剥がしてくれた。

「姫様、Ms.ベッカリー様が可哀想です。
...ということは、姫様はドレスを貸すべくここのクローゼットにいらっしゃったのですね」

あまりの的中率に、顔より体が反応してしまった。
改めてメイドは凄いものだと感心したが、この人が凄いのだろうと考え直した。