異世界ピエロに恋した私。
「流石!
あれ、そういえばノールズばあはどうしてそんな急いでいたの?」

「あ"!?そうでした姫様!
この後、貴族の方々とお茶会の予定です!
さぁ、直ちにお準備を!」

ぽかんと口を開いて、あ。と言っているあたり忘れていたのだろう。
お茶会があるのなら、カルルトの所へ戻ろうと考え、クローゼットと呼ばれている巨大な部屋から出ようとした。

「あ、まって!
じゃあMs.ベッカリーの踊りを貴族の方々に披露するのはどう!?」

心底思った、どれほどしぶといんだと。
メイドはチラチラこちらに視線を向けて、無理しなくて大丈夫ですよ、と目で言ってくれてた。
お言葉に甘えようとしたのだが、人生そんな甘くはなかった。

「これは姫の命令ですわ!」

そんな権限を使うなんて反則だ。

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