異世界ピエロに恋した私。
机に本を置き、その上に顔を乗せる。
それから、力無くため息をついた。

「何度見たって内容は変わらない、わかる?」

「んなもんわかってる」

返事が気に食わなかったのか、リグナはベッドから飛び起きて俺の頬に尻尾で攻撃してきた。
口には出さないがあまり痛くはない。
だが、何度も攻撃されたくないのであえて痛そうな顔をする。

「ロルズ...」

「なんだよ?」

「君は、この世界の_」

コンコン。

リグナの言葉の途中で扉をノックする音が邪魔に入った。

『またお披露目とかか?
でもさっき行ったばかりだ、そんなことないはず』

そんなこと考えていても出なければいけないと嫌々感じ、重たい扉を開いた。
もちろん己を偽り、いつもの不気味な笑顔で。
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