異世界ピエロに恋した私。

「ちょ、ちょっとちょっと。
会社1のイケメンにあの対応...何してるのよミリア!」

パソコンと私の間に頭を突き出して言うサマナ。
だが手を止めることなくキーボードを打ち続ける。

「あの人はどうも苦手だ。
喋り方や香水の臭さも」

「はぁ...ミリアっぽいね」

それは褒め言葉なのか、それともただの貶し?

どちらにせよどうでも良いので、無視してそのまま仕事をする。
仕事...と言ってもただのビジネス会社、簡単に言うとただのOL、それ以上でも以下でもない。
このまま仕事モードに入ろうとしているのにも関わらず、隣からサマナが話しかけてくる。

「何よ、今頑張ってるんだけど」

「も〜、そんなキツく言わないでよ〜。
あとさ!今日2人で夜飲みに行こうよ!
話したいことがあるんだよ〜!」

彼女の話したいことなんて大体予想がつく。
彼氏が出来たことか、彼氏と別れたことだろう。