異世界ピエロに恋した私。

a tea party

会場に着くと姫様は俺に気づき、こちらまで犬のように走ってきた。

「Mr.カルルト!来てくれたのね!」

「えぇ。
ですがあまり目立たない格好でね?
今からはただの客ですから」

「フフ、そうね」

こっちよ、と手を引かれ良い席に座る。
周りを見渡すと、貴族らしき人々がお茶を飲んでいたり、ゲラゲラとカエルのように笑い合っていたりしているようだった。
だが、その中でミリアの姿は見当たらない、裏にでも隠れているのだろうか。
1人でに考えていると、隣に座っている姫様に鼻で笑われた。

「何か面白いことでもありましたか?」

「フフ、えぇ。
あまりにも貴方がソワソワしていて、ちょっとね。まるで親を探す子供のようね」

無自覚にもソワソワとしていたらしい。
探すというワードは合っているのだが子供というのは少しばかり年齢が。

「失敬失敬!
私、こういうケースで呼ばれるのは初めてでして少しばかり緊張してました」
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