私の彼氏は中学生です。
新しい友達もできた。
毎日笑って。

テストを受けては点が低いと嘆いて、あや達と遊びに出たりした。



3年になった今思えば、私本当に青春してる。



「お待たせー」



と、ショートカットとセミロングヘアーの女子2人が教室に入ってきた。



「会長、ももか遅いよー」

「ごめんごめん」



プリントを片手に持ったショートカットの方があやで、元気オーラ全開のセミロングヘアーの方がももかだ。



「そういえば、さっき美久の彼氏帰ってたよ」

「え?あぁ、そっか」



ももかの言葉に何と言うこともなく、私はサイダーに口を付けた。



「まだそんななの?」

「大丈夫?」



かほとはなが矢継ぎ早に心配いしてくれる。




私には付き合って2年になる彼氏がいる。
彼氏の拓海は優しくて、とにかく優しい。



けど、最近ふと分かったことがある。

私は本当に拓海のことが好きなのかどうか。




恋愛的な意味で?

それとも人として?



「まぁ、好きだから付き合ってるし。大丈夫だよ」



あはは、と笑う4人はもー惚気ないの!と私の肩を軽くたたく。


たとえ、本当に好きかどうかわからなくても好きだと思っているのなら今はそのままでいてもいいよね。




それからは、今日あった他愛のない話をした。


誰かが授業中に携帯を鳴らしたとか、居眠りしてる人の頭がゆらゆらして急に後ろに落ちただとか。



5人で笑いとおした後、ふと外を見ると既に空は暗くなっていた。



「ねー外暗いよ」

「嘘、もうー?」



窓側に座っていた私とももかが窓から軽く身を乗り出してまだ、月が昇っていない空を見上げる。



「本当だ、もう18時だしね」

「帰りますかー」

「うん、帰ろ」



仕方なしに荷物を持って暗い廊下を歩く。


私とあや、はなの3人は自転車を門に取りに行き門に着いたとき。



「あっ。ミクとモモカ、明日は暇?」



かほが思い出したように足を止めた。



「明日?」

「何かあるの?」



何かイベントでもあったかな?


私達が好きな俳優の映画公開日はまだ2週間も先。

かほが食べたいって言ってたドールの新作アイスだってまだ未発売だし。



「明日、弟が試合あるんだけど一緒に見に行けないかなって。ハナとアヤナの弟は別の会場だから」
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