私の彼氏は中学生です。
「待った?」
「ううん、今来たとこだよ。とか言ってみたり~」
「あはは!彼女かー。あれ?ミク、アイシャドウ変えた?」
「うん、この前ももかがしてたのと同じグリーンシルバーなんだ。教えてもらったの」
「発色いいね」
「ねー」
メイクトークをしながら少し赤錆がついたドアノブを開けて、階段を上っていく。
外とは違って階段は薄暗い。
ギャラリーに上がると、ライトの眩しさで一瞬目がくらむ。
下のフロアには8校の中学生が見えた。
「ねー、かほの弟どこ?何番?」
「うーんとね。というか、何番か知らない」
あはっと薄笑いして、どこだろーと辺りを見回す。
ボールの跳ねる音。
審判の吹く笛。
全てが懐かしく感じる。
「ミク、いたいた!あの紺のユニフォームの5番」
「え、可愛い!すごいかほに似てる!」
「やっぱり?洋っていうんだ」
紺色のユニフォームに大きく5と描かれている選手は周りの子たちより少し華奢だど負けず劣らずの実力を見せつけていた。
茶色い髪はライトが当たって綺麗に見える。
遠目からだから、あまりよく見えないけど綺麗な顔立ち。
ほんの一瞬、目が合ったような気がした。
思わず心臓が飛び出しそうになった。
どうして?
わからない。
でも、脈が速くなったのは分かった。
フロアへ視線を戻す。
洋くんの手元から放られたボールは放物線を描き、ゴールへ入る。
「きゃー!洋くんすごいね!スリー決めたよ」
「うわー生意気」
「何で、すごいよ!私も体育でやってみたけど全然ボール届かなかったもん」
「知ってるよ、見てたから」
すごいすごいと盛り上がる私と、何だかんだ言いながらも片手にカメラ構えて撮ってるかほ。
試合は71対65で洋くんのチームが勝った。
隣のコートを見ていると何やら視線を感じ、視線の方へ顔を向ける。
すると、1人の男の子がこちらを見ていた。
「.........あ」
それは他でもない、洋くんだった。
茶色く澄んだ瞳がまるで私を見つめているみたい。
きっと、洋くんが見ているのは私じゃなくてかほなのにお互い見つめ合ってるみたいで。
自分の頬に熱が帯びていくのを感じた。
ええっと。
恥ずかしいのか、気まずいのか居たたまれなくなって視線を他へ移す。
「ううん、今来たとこだよ。とか言ってみたり~」
「あはは!彼女かー。あれ?ミク、アイシャドウ変えた?」
「うん、この前ももかがしてたのと同じグリーンシルバーなんだ。教えてもらったの」
「発色いいね」
「ねー」
メイクトークをしながら少し赤錆がついたドアノブを開けて、階段を上っていく。
外とは違って階段は薄暗い。
ギャラリーに上がると、ライトの眩しさで一瞬目がくらむ。
下のフロアには8校の中学生が見えた。
「ねー、かほの弟どこ?何番?」
「うーんとね。というか、何番か知らない」
あはっと薄笑いして、どこだろーと辺りを見回す。
ボールの跳ねる音。
審判の吹く笛。
全てが懐かしく感じる。
「ミク、いたいた!あの紺のユニフォームの5番」
「え、可愛い!すごいかほに似てる!」
「やっぱり?洋っていうんだ」
紺色のユニフォームに大きく5と描かれている選手は周りの子たちより少し華奢だど負けず劣らずの実力を見せつけていた。
茶色い髪はライトが当たって綺麗に見える。
遠目からだから、あまりよく見えないけど綺麗な顔立ち。
ほんの一瞬、目が合ったような気がした。
思わず心臓が飛び出しそうになった。
どうして?
わからない。
でも、脈が速くなったのは分かった。
フロアへ視線を戻す。
洋くんの手元から放られたボールは放物線を描き、ゴールへ入る。
「きゃー!洋くんすごいね!スリー決めたよ」
「うわー生意気」
「何で、すごいよ!私も体育でやってみたけど全然ボール届かなかったもん」
「知ってるよ、見てたから」
すごいすごいと盛り上がる私と、何だかんだ言いながらも片手にカメラ構えて撮ってるかほ。
試合は71対65で洋くんのチームが勝った。
隣のコートを見ていると何やら視線を感じ、視線の方へ顔を向ける。
すると、1人の男の子がこちらを見ていた。
「.........あ」
それは他でもない、洋くんだった。
茶色く澄んだ瞳がまるで私を見つめているみたい。
きっと、洋くんが見ているのは私じゃなくてかほなのにお互い見つめ合ってるみたいで。
自分の頬に熱が帯びていくのを感じた。
ええっと。
恥ずかしいのか、気まずいのか居たたまれなくなって視線を他へ移す。