私の彼氏は中学生です。
「そこがいいの!」

「普段はぽやんとしてるのに?」

「ギャップ萌え」

「ギャップ萌え好きだよねかほ。あ、それとも友輝だからかな~?」

「もー!!やめてよ恥ずかしい!」



きゃあきゃあと恋バナするにはうってつけのカフェにいる私達。



今日はすごく晴れてて。

昼食を済ませた後、お茶をしながらの窓辺の席はとても心地良い。


町の中心街だけど落ち着いてる空間。


安くてヘルシーな料理。

種類が豊富で、見た目が可愛いデザートとドリンク。


かほが飲んでるアイスティーだって、ただのアイスティーじゃない。


アイスティーといっても水のように色がなく。

ミント、ブルーベリー、レモンが入ってる見た目が涼しい夏を先取りしたアイスティー。



私が飲んでるのはレモンティー。

透明なカップに薄茶色の紅茶にハート形のレモンを浮かべているシンプルな可愛さがある。



「ミクの方は?」

「んー…相変わらずかな。でも明日、海行くよ。まだ入れないけど」

「なんだ、いい感じじゃん」

「…でも、拓海ね、好きな人できたっぽい」

「大丈夫なの?」

「うん。だから明日、ちゃんと話そうと思って」

「それがいいよ、何かあったら言ってね。相談聞くよ」

「...........」



湯気が出なくなった紅茶にスプーンでハートのレモンを沈める。


まるで、私みたい。

浮いては沈む。


好きとも嫌いともいえない。

私はなんてふわふわした不確かな存在なんだろう。



「ミク?」



反応を示さない私を不思議そうに覗き込む。



「大丈夫?」

「!うん、今日は誘ってくれてありがとう。楽しかった!」

「いいえ、またどこか行こうね!」

「私達じゃなくて、友輝がいるでしょ~」

「もー!それとこれとは別!!」




結局、話が弾み終わるコロニハ日が沈んでいた。



「じゃあ、またね!」

「ばいばい、かほ!」



かほと分かれ、夜の賑やかな中心街を一人で歩いて帰る。


--------------



「ただいま」



返事はない。

だって一人暮らしだから。


両親は出張でいない。

仲が悪いとかはなく、連絡は普通にとっている。



何をするということもなく、ためた湯船に入浴剤を入れてつかる。



「ふー」



かっこよかったな、洋くん。
< 7 / 7 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop