ずっと前から好きだから
「だから、夏実がこの高校に入学してきて、幼馴染みってら聞いた時にこの子だ!って思ったの」


「.......うーん」



こころちゃんの話には、納得出来るけど、どうしても大事な人の存在が頭からなくならない。



「悩んでもどうにもならないでしょ?」



あたしの肩をポンッと叩く。



「でも.......」


「せっかく気づいたのに諦めちゃうの?」



あたしの瞳を真剣に見るこころちゃんから目が離せない。



「諦めたくは、ない」



あたしが好きなのは、匠だって。
やっと気づけたんだ。
こんな想いなくしたくない。



「だったら、ちゃんと匠と話すこと!」


「うん.......」



ちゃんとしなきゃならないってのは自分でもわかってる。
でも、顔を見ては、顔も知らないシオンさんがチラついてどうしても避けてしまう。



「気持ち、打ち明けなよ」


「.......っ、うん」



自分の気持ちを告げて、シオンさんのこともちゃんと聞こう。



「ありがとう。こころちゃん」



こころちゃんの言葉に自分の気持ちを立て直せたきがした。
だから、頑張れる。

< 103 / 192 >

この作品をシェア

pagetop