ずっと前から好きだから

思い出してもらえばいいんだ

「お、同じクラスじゃん」



入学式。
席に着くと、頭上から聞こえてきた声。



「た、匠!」



同じ部屋から出発して、途中で匠は友達にあったから、別れて登校した匠がそこにいた。



「柊なら隣のクラス」



キョロキョロと1人の男の子の姿を探すあたしに、匠がはぁっとため息をつく。



「そ、そっか……」



なかなか出来ない再会に少しおちこんでしまう。



「お前、わかってんだろな?」


「なにが?」


「お前は俺のってこと」



グイッと顔を近づけられる。



「俺のって……フリでしょ」


「フリでもちゃんとフリしねーとだろ?」


「……そ、そうだけど」



いつまでも近い距離にドキドキしないわけもなく。
ふいっと、匠から顔をそらす。



「なーんで、そらしちゃうの?」



そらしたはずの顔は、すぐに匠の手によって元に戻される。



「匠、距離感おかしいよ」


「ん?彼女なんだし、そのくらい普通だろ?」


「……か、かの「え!?その子匠の彼女なの!?」



突然、遮られた大きな声にビックリして声のした方向を見れば、すごい勢いで走ってくる女の子がいた。
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