ずっと前から好きだから
知らない記憶
〝ごめんね、試合の前日に面倒な事言って。今日は頑張って〟
朝が来て、すぐに匠にはそうメッセージを送った。
一晩考えたけど、試合を翌日に控えた匠に言うべきことではなかったと思ったから。
結局一睡もできずに朝を迎えていた。
「夏実、大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ。応援頑張ろう」
同室のこころちゃんがあたしのことを心配そうに見ている。
「昨日、2人がいなくなったあとあの子と話したんだけどね.......匠のことを好きなわけではないみたいだよ」
「.......そっか」
こころちゃんがあたしに気をつかってくれているのは、わかっている。
でも、いくら詩音さんが匠のことを好きじゃないとしても、匠が彼女のことを大切に思っているのは変わらない。
あたしが離れていた期間にふたりがどんなきっかけがあったかはわからないけど出会って、匠は詩音さんに特別な感情を持つようになった。
ただ、それだけのことだ。
「ごめんね、あの子の話なんか聞きたくないよね.......」
「あっ、ううん。違うの!」
なにがちがうというのだろう。
でも、目の前のこころちゃんが寂しそうにしているから、きっとあたしが少し冷たい返しになってしまったんだろうなと感じる。
朝が来て、すぐに匠にはそうメッセージを送った。
一晩考えたけど、試合を翌日に控えた匠に言うべきことではなかったと思ったから。
結局一睡もできずに朝を迎えていた。
「夏実、大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ。応援頑張ろう」
同室のこころちゃんがあたしのことを心配そうに見ている。
「昨日、2人がいなくなったあとあの子と話したんだけどね.......匠のことを好きなわけではないみたいだよ」
「.......そっか」
こころちゃんがあたしに気をつかってくれているのは、わかっている。
でも、いくら詩音さんが匠のことを好きじゃないとしても、匠が彼女のことを大切に思っているのは変わらない。
あたしが離れていた期間にふたりがどんなきっかけがあったかはわからないけど出会って、匠は詩音さんに特別な感情を持つようになった。
ただ、それだけのことだ。
「ごめんね、あの子の話なんか聞きたくないよね.......」
「あっ、ううん。違うの!」
なにがちがうというのだろう。
でも、目の前のこころちゃんが寂しそうにしているから、きっとあたしが少し冷たい返しになってしまったんだろうなと感じる。