ずっと前から好きだから
「夏実、さっさと食べちゃおう」


「うん、そうだね」



こころちゃんにそう返事をし、竜崎さんのことは構わず目の前に置かれた朝食を口に運ぶ。



「もっと元気ないのかと思ったのに、残念」



お味噌汁を飲もうとお椀を口にしたところで、そう竜崎さんの声がして、いったんお椀をテーブルに置く。



「.......なに?」



いったいあたしが竜崎さんになにをしたというのだろう。
なにが悲しくて、気分を害されないとならないのだろう。



「そんな怒らないでよぉ.......。詩音ちゃん、来てたでしょ?」


「.......っ!?」



竜崎さんから出た名前に自分の目が見開いていくのがわかる。



「ちょっとあんた、静かにご飯食べられないわけ?」



無言で状況を見守っていたこころちゃんが、耐えきれなくなったようで竜崎さんのことを睨む。



「なによ。あの女もこいつも.......。無条件で匠くんに愛されて.......周りには気にしてくれる友達もいて、贅沢だわ」


「は.......?」



なにが贅沢だと言うのだろう。

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