ずっと前から好きだから
「あ、うん。ごめん。それじゃあ、また.......」



詩音さんにぺこりと頭を下げて、こころちゃんとホテルをでる。



「バスの中で少し寝よー」



ふあーっとこころちゃんがあくびをするから、あたしにもあくびがうつる。



「うん、あたしも少し寝る」



一睡もできなかったから、いまになって眠気が襲ってくる。




『しおんは、がっこういかないの?たのしいよ?』


『だって、なつみとたくみとしゅうくんがいればいいもん。がっこうなんていかないもん!』



小さな女の子二人の会話。
場所は、あたしの部屋.......?



『しおん、がっこうおわったからあそぼうぜ!』



場面がかわって、あたしの部屋に入ってくる幼い匠。



『やったー!まってたよ!たくみ、だいすき』



嬉しそうに匠に抱きつくのは、あたし.......?



『あなたは、なつみっていうの。夏に実るってかいて夏実。わかる?』



場面がかわって、今度は病院。
幼いあたしの頭には包帯が巻かれてる。

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