ずっと前から好きだから
あたしが1番ちかくじゃなくてもいい。
詩音さんのことが1番でも構わない。
でも、あたしにとっての1番は間違いなく匠だから。



「ご、ごめん.......」


「ほら、みんな応援するぞ」


「そうだよな。ここに来れるのあたりまえじゃないもんな」



文句を言っていたひとたちが、口々に謝罪を口にする。



「夏実の思いが届いたね」


「よかった.......」



正直、怖かった。
でも、伝わったならよかった。



「かっこよかった。夏実」


「ありがとう」



あまり人前で大声で話すことなんてないし、本当は手だって震えてる。
でも、頑張ってる人を前にして、勇気をださないなんて、その頑張ってる人に悪いから。

いくら自分は文句を言ってなくても、勇気を出さないことはその人たちとなにも変わらない同罪だから。

あたしは、少しでも、この内気な性格を変えたいってずっと思ってきた。
だから、その一歩になれてたらいいなと思うんだ。

次の瞬間から、あたし達の高校の応援は一変した。
それにつられるように、野球部の雰囲気も変わったきがした。

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