ずっと前から好きだから
「え.......?」



柊くんが走っていった先は、匠と詩音さんのところ。

どうしてだろう。
なんだか、疎外感を感じるのは。



「柊、なんか変だった?」


「う、ん.......冷たかったし、柊くんも詩音さんのとこいっちゃった」



もう一度みると、3人で楽しそうに話している。
3人とも笑顔だ。

小さい頃、あたしも含めて仲良かったという話なのに、あたしは除け者らしい。
別に本人たちにそのつもりはないだろうけど。



「.......っ」



別に誰のを先にのんでもいいんだ。
それは本人たちの自由だ。

彼らはふたりともいま、詩音さんから渡された飲み物を迷わずすぐにあけて飲んでいた。

匠なら、柊くんなら。
あたしのを一番に飲んでくれるだなんて、自惚れどこからわいてきたんだろう。



「あたし、誰の一番にもなれないんだね.......」


「え、待って、夏実。どこいくの?」


「すぐに戻るから、ここにいて」



誰があげたドリンクを飲んだっていいじゃないか。
あたしのだって捨てられたわけじゃない。

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