ずっと前から好きだから
だいたい、小学二年生でそんな感情を持つやつがいるって普通思うか?

俺は、ただ大好きな詩音といられればそれでよかったんだ。



「どうして、たくみくんはしおんちゃんばかりとあそぶの!?」



学校が終わって、公園で詩音と遊んでいると、突然竜崎が走って俺らの間に立った。

竜崎が来た瞬間、詩音の顔が強ばったから、不思議に思いながらも俺は、詩音の手を引いて俺の後ろへと連れていった。



「なんだよ」


「だって、あたしたちとはあそんでくれないじゃない!」


「おれがだれとあそぼーとおれのかってだろ!」



この頃の俺は、他の人なんて本当にどうでもよくて。
自分と詩音が楽しければなんでもよかった。



「だって、あたしだってたくみくんとあそびたいのに!」


「りゅうざきとは、がっこうであえるだろ。それでいいだろ」



詩音とは、学校で一緒にいられないぶん、こうして放課後一緒にいる時間が大切な時間だった。



「しおんちゃん、がっこうおいでよ」



竜崎が、俺の後ろにいる詩音のことを覗き込む。

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