ずっと前から好きだから
「なによ、今はって……」



まるでいつか言うみたいな言葉。
匠からの言葉がどんなものをもらうかはわからない。
でも、あたしは匠のことそういうふうに見れないから。
匠からもらう言葉は、あたしの予想が外れていたらいいなって思う。



「とりあえず、フリしてもらうのに他の男のことばっか考えられちゃ、困るからさ」


「……そんなこと言われても」



あたしが好きなのは、柊くんだって事実は変わらない。



「とりあえず、柊といつかすることを念頭にデートでも行くか」


「はぁ?デート?」



匠の斜め上発言に、声が大きくなってしまう。



「予行練習だよ。行けるだろそのくらい」


「そりゃ、行けるけど……」


「明日、部活午前だけで終わるから、12時くらいに迎えに来いよ」



フッと笑いながら話す匠。



「なんで、あたしが迎えに……」


「いいからこいよ。夢なんだ、部活終わりに迎えに来てもらうの」


「はぁ?夢って……そんなの誰でもしてくれるでしょ」



一見、俺様発言ばかりするくせに、こんな可愛いことを言う匠に面食らってしまう。

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