ずっと前から好きだから
……………………………………………



「ねぇ、ちょっと」



放課後。
校門を出たところで、声をかけられる。



「あ.......」



声のした方を見ると、柊くんの彼女が立っていた。



「ちょっといいかな?」



にっこりと笑っているけど、有無を言わさないような圧力を感じる。



「あ、はい.......」



逃げることなんかできないと感じて、彼女が歩く後ろをついていく。



「あのさ」



少し歩いて、緑色のフェンスのところにたどり着く。
ここからは、野球部の練習風景が見えるけど、向こうからは誰がいるかはわからないくらい離れている。



「なんですか?」



あたしがフェンス側に立つ形で、彼女と向かい合う。



「なに、人の彼氏横取りしてんの?」


「.......え?」



目の前でそう言い放つその人からら、いままでの人懐っこい笑顔は消えていた。



「あんたのことが好きだからとか言われて、別れてだって。どーゆーこと?」



淡々とあたしを見て話す。


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