100日間、あふれるほどの「好き」を教えてくれたきみへ









友達になりたいわけじゃなかった。

そんなのは周りにいくらでもいるし、もっと別のなにかで繋がりたいと思ってた。


でもなにを言っても、なにをやっても平行線で。

このままだと、距離が縮まらないどころか遠ざかってしまうような気がして、身勝手でも強引でもなんでもいいから……。


固く閉ざしているきみの心に入りたかった。



「ちょっと、悠真!」

今日は土曜日で学校は休み。昼過ぎまで寝ていた俺を待ち構えていたようにリビングで母さんに呼び止められた。


「また昨日帰ってくるのが遅かったでしょう!」

俺の鼓膜をガンガン攻撃してくる母さんの怒り声。


「だから昨日は気を使って風呂には入んなかっただろ」

うちの脱衣場の引き戸やシャワーの音は深夜だと他の部屋に届くくらい響くから。


「そういう問題じゃないのよ。三者面談でも先生に言われたばかりじゃない。普段から騒がしいグループにいて悪目立ちしてるって」

俺は冷蔵庫にあった炭酸水のペットボトルを片手にソファーへと座る。

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