100日間、あふれるほどの「好き」を教えてくれたきみへ



面談の時に担任が俺の授業態度のことや、たまにサボってることまで暴露してくれたおかげで、あの日以来、母さんの小言は以前より多くなってしまった。


「うるさいけど友達は悪い奴らじゃねーよ」


俺だって付き合う友達ぐらいはちゃんと選んでいるつもり。まあ、昨日は早く帰ると言ったのに無理やりひき止められて、結局解放された頃には日付が変わっていたけど。


「もう、少しはみいくんを見習ってよね」

出た。母さんお得意のみいくん。

ちなみにみいくんとは俺の弟のあだ名。俺のことはゆうくん、なんて呼んだことはないのに弟は中三になっても可愛がられている。


「今日だって受験勉強するって休日なのに朝から友達の家にいったのよ」

「へいへい。偉いですね、みいくんは」

炭酸水を飲みながらふざけた返事をすると、バシッ!と後頭部を思いきり叩かれた。


「なにすんだよ、溢れただろ!」


スウェットに浸透していく炭酸水をティッシュで拭いていると、「暇ならここに書いてあるもの買ってきてよ」と、母さんは一枚のメモを俺に差し出した。

確認すると、そこには人参やじゃがいも。牛乳にチーズ。おまけにビールやさきいかと親父のものまで書かれてある。


「暇じゃない。これからDVD見るし」

「なに言ってんの。十分暇でしょ。私は休日じゃないとできないことがあんたと違っていっぱいあるの!だから今すぐ顔を洗って行ってきなさい!」


母さんが本気モードの顔になったので、文句は言ったけど逆らわずに俺は渋々スーパーへと出掛けた。

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