100日間、あふれるほどの「好き」を教えてくれたきみへ
買い物は30分もかからなかった。
寄り道して帰ろうと思ったけど、頼まれた六本入りのビールと自分用の2Lのペットボトルが予想以上に重くて断念。仕方ないから予定どおり家でDVDでも見ようと思っていると、横断歩道の前で信号待ちをしてる人物が目に入った。
行き交う車をぼんやりと見つめて、身体も不安定にゆらゆらとしていた。
危なっかしいと思いつつも、こんな真っ昼間に飛び込んだりはしないだろうと歩き進めていたけれど、なんとなくその背格好に見覚えがあって、俺は足を止める。
……海月?
そう思った瞬間に、彼女の身体が前のめりになって、俺は買い物袋を放り投げて急いで駆け寄った。
「……あ、ぶねっ」
孟スピードで通りすぎるトラックから間一髪のところで肩を引き寄せて間に合った。
なにしてんだよ!と怒鳴りそうになりながらも、海月が故意にやったことではないということが、力の抜けている身体を支えて分かった。