100日間、あふれるほどの「好き」を教えてくれたきみへ



「ちゃんと病院で一回診てもらってよ。それで原因が分かったらしっかり危機管理してくれ。まじで俺が支えなかったら今頃ケガだけじゃ済まないことになってたんだぞ」

俺は深いため息をはいて、うなだれるように肩を落とした。そんな俺を海月はじっと見ていた。


なんでそんなにあんたが焦るの、なんでそんなに私に構うのって、言いたそうな顔。

海月はいつもそう。

俺がなにかを言うたびに、するたびに『なんで、なんで?』って、疑問が表情に表れる。


なんで、なんて……そんな明確な理由が必要か?

心配だから、ひとりにさせたくない。

そう言ったって海月はきっと、なんでって聞いてくるんだと思う。


「……私、どのくらい寝てた?」

「三時間くらい」

ベッドの横にあるカーテンを手で持ち上げて海月は外を見た。意識があった時は昼間だったのに、すでに空は夕暮れ時になろうとしている。


海月が眠ってる三時間の間、普段はだらけている俺がかなりテキパキと動いていたことを彼女は知らない。

海月をベッドに寝かせたあと、散らかっていた部屋を片して、誤解を与えそうな本もクローゼットの一番奥に隠した。

それから風呂に入ってなかったことに気づいて急いでシャワーを浴びて、出しっぱなし脱ぎっぱなしだった洋服を整理。

あとは海月が目を覚ますまで、ひたすら寝顔を見てたことは、本人にはもちろん言えない。
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