100日間、あふれるほどの「好き」を教えてくれたきみへ
「初めまして、悠真の母です。海月ちゃん、でいいのよね?目眩だって聞いたからなにかエネルギーになるものをって色々作りすぎちゃったんだけど、もし良かったら晩ごはん食べていかないかしら?食欲はある?」
「わ、私は……」
「遠慮なんかしないで。たくさん残してもいいから、なにか口にしていって。親御さんには私から連絡しておくけど、海月ちゃんのお母さんは今お家にいる?」
弾丸で喋る母さんに海月が飲まれそうになっていたので、俺はフォローするように間に入った。
「無理しなくてもいいよ。帰るなら送ってくし」
俺はけっこう図々しいから友達の家の晩ごはんとか喜んで食べていくけど、海月はそういうタイプでもない。
海月は、きっと断ろうとしてた。
でも開けっ放しのドアから香ってくる匂いに、母さんが自分のぶんも用意してくれてることを悟ったのだろう。
「……じゃあ、少しだけ。あと、家への連絡は大丈夫です」
海月は小さな声で答えた。