100日間、あふれるほどの「好き」を教えてくれたきみへ
きみと迎えた三回目の朝
*
:
暖かい場所にいれば、人は暖かくなる。
優しい人に囲まれれば、人に優しくなれる。
愛情をたくさん注がれたら、人に愛情を分けてあげられる。
それは佐原を見て、学んだこと。
学んで、知って、気づいた。
だから、私はこんなに冷たいんだって。
暖かさから、優しさから、愛情から遠い場所にいることを、きみの隣にいると私はひどく再確認してしまう。
学校が終わり、家に帰ってきた私は汚れたジャージを洗面所で手洗いしていた。
実は上履きだけではなく、ジャージも教室のゴミ箱に捨てられていて、運悪く飲み残しの牛乳がべったりと付着してしまっていた。
今までもこうして嫌がらせされることはあった。
影が薄いということはなにをしてもいいと思われているのと同じ。病気になる前も淡々と、感情を高ぶらせることなく過ごしてきたけど、病気になった今のほうが私は理性的で落ち着いてる。
それは、きっと自分の終わりが見えているから。
先の見えない未来を追いかけるより、よっぽど私は現実思考に変わった気がする。