Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
俺は小さな溜め息を一つ、颯人に気づかれないよう吐き出してから、問い掛けた。
「いつから…試してたわけ?」
颯人は口元に手をやって少し考えた。
「……螢が屋上で、いきなり抱きついてきた時あっただろ?…あの後から、かな」
思わず苦笑いがもれた。
「あぁ…ごめん…あの時は俺も自分の気持ち、よく分かってなかった」
苦笑したまま俺は素直に謝る。そして。
「なぁ、もう一つ訊いていいか?」
「…なに?」
黒く濡れたような颯人の、綺麗な瞳をまっすぐに見つめながら、俺は訊いた。
「……颯人は、あの茜って子が、本当に好きなのか?」