Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


まだ少し寝ていたいという颯人を保健室に残し、俺は教室のある校舎へ続く渡り廊下を歩いていた。


良かった…また、前みたいに颯人と話ができる……。


そんな些細な事なのに、俺の口元はゆるりと笑みを浮かべてしまっていた。


また、彼と話ができる。それだけで嬉しい、と感じていた。


「……!」


「あ……」


ふと数メートル先、こちらに向かって歩いてくる女子生徒に気付いた。


ペコッと小さく頭を下げた彼女……茜だ。


颯人の様子を見に行くのだろう、早足で俺の横を通り過ぎた。


その時。





< 105 / 202 >

この作品をシェア

pagetop