Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
まだ少し寝ていたいという颯人を保健室に残し、俺は教室のある校舎へ続く渡り廊下を歩いていた。
良かった…また、前みたいに颯人と話ができる……。
そんな些細な事なのに、俺の口元はゆるりと笑みを浮かべてしまっていた。
また、彼と話ができる。それだけで嬉しい、と感じていた。
「……!」
「あ……」
ふと数メートル先、こちらに向かって歩いてくる女子生徒に気付いた。
ペコッと小さく頭を下げた彼女……茜だ。
颯人の様子を見に行くのだろう、早足で俺の横を通り過ぎた。
その時。