Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
俺と颯人はあれからまた今まで通り、何度か屋上で会っていた。
颯人は今まで以上に俺に打ち解けて、いろんな事を話してくれるようになった。
普通、警戒したりするだろう?
一度訊いてみた俺に、颯人はあっさりと答えた。
――俺、螢のこと信用してるからさ。
……ふざけんなよ。
思わず颯人に言いかけた台詞。
「ほんっと、ふざけんな……颯人の馬鹿野郎」
「へ?なんか言った、螢?」
相変わらず余計なとこだけは聞き逃さない奴だ。前の席の林が振り返った。
「今、颯人って言った?」
「言ってねぇ」
「うっそだぁ。言ったっしょ?」
「うぜぇ、お前」
速くなる鼓動を悟られないよう、無表情を決め込む俺の顔を、林はニヤニヤして覗き込んでくる。
「知ってるぜ、螢って七瀬颯人と意外と仲いいんだろ~?」
林の言葉にドキリとした。
「な、んで……?」