Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


「螢の嘘はすぐわかる」


そう言って颯人の細い指がスッと延びてきて、耳に触れた。


「耳朶、赤くなるんだよ。気付いてた?」


茶化したようにクスクス笑いながら言う颯人。
その顔を見ながら、正直俺は。


固まっていた。


触れられている箇所が熱い。


ヤバい。マジヤバい。


思わず顔を伏せたところで颯人が耳からゆっくり手を離した。
と、思ったらその手はそのまま俺の胸まで降りてくる。


な……?!


何してんだ、と思ったのも束の間、颯人の手はそのままブレザーの内ポケットを探り、先程俺が隠した煙草を見つけ出した。


「なんだ、コレ隠したのか」


颯人はつまらなそうに呟いた。





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