Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


いきなりのことに、一気に吸い込んだ煙が肺に流れ込む。
あまりの苦しさに俺は煙草を口から離し、咳き込んだ。


「……っなにすんだよ!いきなり突っ込むな!」


涙目になりながら俺は颯人を睨むが、当の本人はまたも噴き出し笑い。


……こいつ、やっぱり性格悪い。


「ごめんごめん!螢見てたらつい、いじめたくなっちゃって」


「なんだよ…けほっ、それ……ていうか煙草まじぃ!なにこれ?!よくみんな吸ってんな…」


「ふっ、螢はまだまだお子様だなぁ」


クスクス笑いながら再び颯人は、俺の指から火のついたままの煙草をかすめ取り、口にくわえた。


ふぅっ、と紫煙を吐き出し目を細める。そしてさり気ない流し目を俺に寄越し、問い掛けてきた。


「で?なんかあった?」




< 117 / 202 >

この作品をシェア

pagetop