Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


「例えば、さ。螢、お前が俺だったとする。で、俺が茜だったとして……」


いきなり颯人は俺の顔を真正面から覗きこんで、少し上目遣いで見上げる様子を見せる。


しかもその表情は甘えているかのようで。
至近距離15センチ。


ちょ……何してんだ、こいつ?!


「この状況になったら普通、キスぐらいイケると思わない?」


そう言って首を傾げた颯人を見て、ゾクッと背筋で何かがざわついた。


「……あ。あぁ、確かに…」


ていうか俺はお前のその顔でもうヤバい……。


なんて、最低なコトを考えているとはこれっぽっちも気付いていない様子で、颯人はさらに続ける。


「だよなぁ、しかもこの状況で、『颯人、大好き』なんて言うんだ、なのに!キスもさせてくんないんだよな…俺、嫌われてんのかな?」





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