Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
――どれくらい彼を抱き締めていただろう。気付けば静かに降り続いていた雨は止んで、雲の隙間から陽の光りが差し込んでいた。
濡れた地面がキラキラと反射した。
「……ごめん。なんか…暴走しすぎた…」
自己嫌悪に襲われながら、俺は颯人の背中から腕を離した。
すぅっと身体の体温が下がったみたいに、颯人の温もりが手から、腕から、胸元から、消えた。
ゆっくりと離れた颯人の顔がまともに見れず、俺は俯いたままもう一度謝った。
「ほんとごめん……でも、今言ったことは全部…本当のことだから」
パッと立ち上がって、錆びたドアノブに手をかけた。
「螢、……また、来るよな?此処に…」
振り返れば、颯人はしゃがみ込んだまま地面を見つめていた。
表情は、見えない。
その背中をジッと見ながら俺は答えた。
「来るよ、もちろん……颯人は俺の……友達、だろ?」
少しだけ、声が震えた。