Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
…もしかして今の会話、聞かれてたのか?!
そう気付いた瞬間、スッと血の気が引いた。
だけど……。
「秋川くん…だよね?いつも颯人があなたのこと話してる」
無表情だった顔をにっこりと可愛らしい笑顔に変えて、茜は口を開いた。
「え…あ、あぁ。そうなんだ…」
「すごくいい奴だって、言ってた」
にこにこした表情を崩さずに話し掛けてくる彼女を見ながら、会話を聞かれてたわけじゃないようだと思って、俺はぎこちない笑みを浮かべた。
「そっか…それは嬉しいな。……じゃ、俺行くから」
正直、茜の顔なんて見ていたくない。
俺は早々に立ち去ろうと彼女の脇を通り過ぎ、階段を下りようとした。
その時だった。
俺は一瞬、耳を疑った。
「最低ね、男のくせに男を好きになるなんて。気持ち悪いわ」