Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
颯人の顔はすぐに険しくなった。
それはもちろん、頬を片手で押さえている茜を見たから。
素早く階段を駆け下り、彼女に駆け寄った。
「茜?!どうした?」
少し俯く茜の顔を覗き込んで、颯人は微かに赤くなった彼女の頬にそっと触れた。
「あ、秋川くんが急に…颯人に手を出すなって……」
「……な!?」
そんな事言ってない!
そう言い返そうとした瞬間、振り返った颯人に胸倉を掴まれ、俺は反対側の壁に押し付けられていた。
目の前には怒りに染まった颯人の黒い瞳。
「…なに、してんだよ螢!?彼女に手、あげたのか?!」
「それは…コイツが…」
「手ぇあげたのかって聞いてんだ!」
颯人は聞く耳を持たなかった。
鋭い目で俺の目を睨みつけ、今にも殴りかかって来そうな勢い。
ふと、視線を颯人の背後にずらすと、茜と目が合った。
くす、と嘲笑うかのような表情の彼女がいた。