Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
「いや、俺、螢の気持ち全然知らなかったから……あんな噂なんてすぐ消えると思って気楽に考えてた。……ごめん」
そう呟いた林の言葉に、胸が苦しくなった。
林が悪いわけじゃない。だけど、そう言われた瞬間、少しだけ救われた気がしたのは気のせいだろうか……。
俺はクルリと体の向きを変えて、フェンスに背中をあずけズルズルとしゃがみ込んだ。
「謝る必要なんてねぇし……つーか、気持ち悪くねぇのかよ?」
「何が?」
「俺が」
「なんで?」
「なんでって…男が男好きって言ったら、普通ヒくだろ?」
チラリと目線を上げて林の顔を見上げれば、視線が合った。
その視線を逸らすことなくニッと三日月形の目を見せる。
「べっつに男でも女でも関係なくね?」