Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
「ヤるかボケ!……まぁ、押し倒したのは、本当だけど……」
瞬間的に家の玄関で颯人を床に押し倒し、キスしたことを思い出してカッと顔が熱くなった。
「マジ?!押し倒したの?!すげぇな螢!やるじゃん!!」
目をまん丸にして大声をあげる。
「声でけぇよ!てかもうそんなことどうでもいいし」
どうせこの想いが颯人に受け入れてもらえるわけない…、さっさと忘れたほうが楽になれるんだから…。
「なんでどうでもいいなんて言っちゃうわけ?!」
思わぬツッコミをくらって、俺は間近にある林の目をジッと凝視した。
「だって…どう考えたって颯人が俺を好きになるなんて、ないだろ。芹沢にマジで惚れ込んでるし…」
「そうじゃなくて、お前あんな噂流されて腹立たないのか?しかもあの噂、七瀬にも迷惑かかってんだろ?そういうの考えてない芹沢の行動、最悪じゃねぇ?」
「まあ……そうだけど、だからって今更颯人の誤解が解けるとも思えないし…」
「誤解? なにそれ?」
首を傾げた林に、俺は先日、茜をひっぱたいたこととそれを颯人に誤解され、自らさらに誤解されるような台詞を言ってしまったことを話した。