Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
どうやら颯人はよく屋上でサボっているようだった。
俺もサボって屋上へ行ったりすると時々顔を合わせた。
そのせいか俺と颯人は1週間もするとかなり打ち解け、仲良くなっていた。
最初の頃、颯人と話す度に緊張していた俺だったが、それも今じゃすっかりなくなっていた。
この日も午後の授業をサボって俺は屋上の壁に体を預け座り込んでた。
頭上には相変わらず高いところにある雲が俺を見下ろしている。
(あの雲、美味そう…)
綿菓子のようなフワフワした雲を見ながらぼんやりそんなことを考えていた俺の耳に、屋上の錆びたドアを開ける音が聞こえた。
颯人かな?
そう思って体を起こそうとしたとき、可愛らしい高い声。
「うわ、気持ちい~!こんなとこ初めてきたよ私!」
女生徒は歓声をあげている。もう一人誰かいるみたいだった。
俺はドアから出た裏側にいたから気付かれてない。わざわざ出て行くのも面倒だから、しばらく隠れていることにしよう、そう思った時。