Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
「なぁ…いい考えってなんだよ?」
休み時間、俺は目の前の林の背中をペンでつついて振り向かせた。
寝ぼけ眼のまま振り返った林は、俺の机に頬杖をついて、あ~?と唸りながら欠伸を一つ。
「ああ…。それね~、明日の昼休みでいいか~、螢さぁ七瀬連れて屋上に行けよ。んでドアから見えないとこにいてくんねぇ?」
「は?なんだそれ…」
「まあまあいいから、俺は芹沢の方どうにかすっからさぁ」
そうニヤリと笑いながら言った直後、林は携帯電話を取り出しなにやらメールを打ち始めた。
俺なんかよりかなり打つのが速い。
「…なに?」
「ん?お誘いメール」
「…誰に?」
「芹沢に決まってんじゃん」
平然と答えを返した林に、俺は目を点にした。
「……お前、遊ばれた女なのにメアドとか残してあんだ…」
「女の子の番号とメアドは俺、ぜってー消さないよ~。役に立つだろ?こういう時」
「………まあ、な」
呆れた俺はただ、携帯電話に向かってニンマリしている林の顔を見ていた。