Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
からかうような言葉が胸に突き刺さった。
もしかして、こんな台詞を颯人はこの1週間ほど言われていたのだろうか?
そう考えたらますます胸が苦しくなって、その上自分にも腹が立ってきた。
「今しゃべった奴、誰だよ!?」
思わず怒声をあげていた。
なんでもっと、もっとちゃんと考えなかったんだろう?
噂のネタにされたのは俺だけじゃなくて颯人も同じなのに。
俺のこと、好きでもなんでもない颯人にとったら、あんな噂、俺以上に苦痛だったに違いないのに……。
「誰だって訊いてんだよ!!」
「螢!いいから!あんな奴ら相手にしなくていいから、早く行こうぜ」
憤る俺の腕を、強い力で掴んだ颯人が表情の浮かんでいない顔で、俺を見ていた。
「……でも!!」
「いいから!!」
腕に食い込む指の力がグッと強まったのを感じて、俺は怒りを喉の奥に押し込めた。