Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
静まり返った教室から逃げ出すように、颯人にぐいぐいと引っ張られて、俺たちは屋上へと足を向けていた。
途中、するりと颯人の腕が離れた。
でも、その温もりを追いかけるように、今度は俺が彼の腕を掴んでいた。
数歩先を歩く颯人が、息を飲んだのが分かった。
それでも無言のまま、俺たちは薄暗い階段を上った。
ギッ…。
錆びたドアを颯人が開けると、真昼の明るい日差しが目を射る。
真っ青な空が目に痛かった。
軋むドアを閉じた後、俺に背を向けたままの颯人の腕をそのまま引っ張って、俺は林の言った通り、屋上のドアの反対側へ回った。