Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~
微かに微笑んでいる颯人は、さらに言葉を続けた。
「……最近さ、気付いたんだ。……茜は、本当に俺のこと好きだなんて思ってないんじゃないかって」
「…!!」
思わず目を瞠ってしまう。そんな俺の表情を見て、颯人は眉を下げた。
「さすがにさ、あんな噂流れるとな。誰が流したかなんてすぐわかる。螢があんなこと言うはずないしね、…だとしたら俺と螢のこと気付くのって、茜しかいない」
「颯人……」
「茜が何考えてあんな噂流したかなんて、俺にはわかんないけどさ。……正直、参ってる」
そう言った颯人は、俺の隣で壁にもたれてしゃがみ込んだ。
その頭を見下ろしながら、俺は思っていた。
…でも、あんなに計算高い女が、颯人に対してフォロー入れないわけ、ねぇよな…。