Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


「…本人に、訊いたのか?その…噂のこと、とか」


颯人はコンクリートの地面を見つめたまま。


「訊いては、いない。けど、わかるよ。噂が広まってさ、俺がへこんでくとすっげぇ心配そうな顔して慰めてくれるんだ。…けど、なぁんか解っちゃうんだよな、その心配顔の裏で笑ってるのが、さ」


クスクスと笑い出した彼の肩が、小刻みに震えだした。


……笑って、る?
いや、泣いてる?!


微かにしゃくりあげる様な声が聞こえてきて、思わず俺はその横に腰を下ろして、颯人の顔を覗きこんでいた。


「……っちょ!颯人!?」






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