Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


俯いた、颯人の頬が、涙に濡れていた。


パタリ。


静かに雫が地面にしみを作る。


涙で揺らめく瞳に笑みを浮かべて、颯人は顔を上げた。
俺の顔を見て、口を開く。


「俺って、やっぱり外見でしか見てもらえねぇのかなぁ…。なんでいつもこうなんだろ?」


力なく苦笑したその目の端から、また、雫が零れ落ちる。


それを見て、俺の手は自然と颯人の肩を引き寄せ、その柔らかい髪を撫でていた。






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