Forbidden Desire~秋風に舞う葉のように~


その時だった。


ギッ……。


屋上のドアが開けられる音に、俺は颯人から手を離した。


聞こえてきたのは聞き慣れた間延びした声。


「う~っ、気持ちいい!ほらぁ、お前も来いって!」


「…なんなの、こんなとこまで連れて来て。私あんたに用なんてないんだけど」


林の声と、…茜の声。
その声を聞いた瞬間、颯人の表情が強張った。


あいつ…、なに考えて芹沢連れてきたんだ?


颯人と同じように固まってしまった俺は、緊張しながら二人の話し声に神経を集中させる。





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